古来、日本で育まれた絵画は、明治以降、西欧の文化から刺激を受けつつ、今日ではなじみ深い「日本画」として、新たな成長をとげます。近代日本画の黎明期を拓いた横山大観に始まり、菱田春草や速水御舟、才媛上村松園などが日本の伝統の中に近代的な洗練を見出しました。時を経て、東山魁夷、杉山寧、髙山辰雄など、昭和を代表する画家たちは、戦後から現代日本画の礎を築き、新しい時代にふさわしい日本画を求めて模索してきました。
本展では、優れた質を誇る吉野石膏コレクション21名の作家による29作品を展示し、わが国に華ひらいた日本画の精粋を紹介します。時代を超えて響く日本絵画の魅力をお楽しみください。
(右)上村松園《春(部分)》(左:上から)奥村土牛《不二》、東山魁夷《谿若葉》、杉山寧《渹》、髙山辰雄《白い道》